掲示板「チームオンコロジー」
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患者と医療者のコミュニケーション
乳がんのステージの決め方に関して
はな(千葉県)
2019/04/01
浸潤径とステージに関して、術前の評価と術後の病理結果の乖離に関して、主治医の先生のご説明が理解しきれず質問させていただきます、よろしくお願いします。
術前の画像診断の時点では、乳管内伸展があり2つの腫瘍がつながっているように見えるので腫瘍径は3.5cm、N0M0と言われていました。
術前治療なしで手術した結果、術後病理では最大浸潤径は1.5mm、N0という病理レポートが出ています。(レポートにT、ステージの記載はなし)
先日、保険に診断書が必要なため記載してもらったところ、T2N0M0 Stage2と記載されたものが戻ってきました。
私は(ステージもTも)1なのだと思っていたのですが、診断書には2との記載がありましたので主治医に尋ねたところ、「pTと記載してあれば1だがTNMとだけ書かれている場合のTは2なのでステージは2になる」とのお答えでした。
この場合の私のステージはやはり2ということになるのでしょうか。
画像診断よりも顕微鏡で見た術後病理の方が正確なのだと思っていたので腑に落ちず、その一方で、思っていたよりも病期が進んでいたという事なのかと不安でもあります。
最初の画像診断は他院で行っており、「つながっているように見えるんだよね‥」という不確か(?)な印象でステージが決められてしまうものなのでしょうか。
主治医の先生には「表記上の問題だから」という事でこれ以上取り合ってもらえず、でもやはり気持ちの整理がつかず、ステージの考え方を教えていただけないかと書き込みさせていただきました。よろしくお願いします。
術前の画像診断の時点では、乳管内伸展があり2つの腫瘍がつながっているように見えるので腫瘍径は3.5cm、N0M0と言われていました。
術前治療なしで手術した結果、術後病理では最大浸潤径は1.5mm、N0という病理レポートが出ています。(レポートにT、ステージの記載はなし)
先日、保険に診断書が必要なため記載してもらったところ、T2N0M0 Stage2と記載されたものが戻ってきました。
私は(ステージもTも)1なのだと思っていたのですが、診断書には2との記載がありましたので主治医に尋ねたところ、「pTと記載してあれば1だがTNMとだけ書かれている場合のTは2なのでステージは2になる」とのお答えでした。
この場合の私のステージはやはり2ということになるのでしょうか。
画像診断よりも顕微鏡で見た術後病理の方が正確なのだと思っていたので腑に落ちず、その一方で、思っていたよりも病期が進んでいたという事なのかと不安でもあります。
最初の画像診断は他院で行っており、「つながっているように見えるんだよね‥」という不確か(?)な印象でステージが決められてしまうものなのでしょうか。
主治医の先生には「表記上の問題だから」という事でこれ以上取り合ってもらえず、でもやはり気持ちの整理がつかず、ステージの考え方を教えていただけないかと書き込みさせていただきました。よろしくお願いします。
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Re:乳がんのステージの決め方に関して
B(茨城県)
2019/04/28
はなさん、こんにちは。乳腺外科医のBです。投稿をありがとうございます。
手術前の病期分類と、手術後の顕微鏡で評価した病理診断による病期分類が異なっていることで不安になられてしまったのですね。
通常、手術前の画像診断を中心とした評価による病期分類(臨床病期分類、clinical TNB, cTNMなどともいいます)は腫瘍の大きさで評価をします。一方、手術後に顕微鏡を見て確認する病理学的病期分類(pathological TNM, pTNM)では浸潤癌の大きさをはかって評価します。両方、ステージではありますが、術前の評価では腫瘍径、術後は浸潤癌の大きさをみていますので、同じものと見ているとは言えず、両者が一致しないことは多々あります。手術前に見えたしこりは大きくても、とってみたら非浸潤がんが多く浸潤癌がすくなかった、というのがはなさんの場合ではないかとお察しします。反対に、しこりとしては小さかったけれど、切除してみたら浸潤癌がかなり広かったという場合もあります。
診断はたしかに不確実性を含みますが、見ているもの、評価方法が異なるので、手術前・後の不一致はある程度やむを得ないものと考えています。だからこそ、画像だけではなく、切除したものを顕微鏡で詳細に評価し直すことが大切です。
今回は、保険の書類への記載内容として、”なぜ手術を行ったのか”がわかるような記載が求められているのだと思います。その問いへの対応として”手術前の評価でT2(2期)の乳癌だとおもったからです”という記載となっているのだと思います。保険会社によっては、最終的な病理学的ステージの記載まで求める場合と、そうでない場合がありますので、どこまで書くべきなのかは保険会社の書式により異なってきます。
ただし、今後のはなさんの治療を決めるのに最も大切なのは画像評価による分類ではなく、切除した腫瘍の病理学的な評価(はなさんの場合には浸潤径が1.5mmとのことなので、書くとすればpT1a、1期という記載になると思います)です。はなさんのお考えのように、術後病理のほうが、今後の治療方針を決めたり、予後を評価するためにはより正確な情報となります。
医学用語はわかりにくいことも多いですね。
でも、ご自身の状態を正確に知ることはとても大切なことです。
今回の不安が少しでも解消されれば、と願います。
手術前の病期分類と、手術後の顕微鏡で評価した病理診断による病期分類が異なっていることで不安になられてしまったのですね。
通常、手術前の画像診断を中心とした評価による病期分類(臨床病期分類、clinical TNB, cTNMなどともいいます)は腫瘍の大きさで評価をします。一方、手術後に顕微鏡を見て確認する病理学的病期分類(pathological TNM, pTNM)では浸潤癌の大きさをはかって評価します。両方、ステージではありますが、術前の評価では腫瘍径、術後は浸潤癌の大きさをみていますので、同じものと見ているとは言えず、両者が一致しないことは多々あります。手術前に見えたしこりは大きくても、とってみたら非浸潤がんが多く浸潤癌がすくなかった、というのがはなさんの場合ではないかとお察しします。反対に、しこりとしては小さかったけれど、切除してみたら浸潤癌がかなり広かったという場合もあります。
診断はたしかに不確実性を含みますが、見ているもの、評価方法が異なるので、手術前・後の不一致はある程度やむを得ないものと考えています。だからこそ、画像だけではなく、切除したものを顕微鏡で詳細に評価し直すことが大切です。
今回は、保険の書類への記載内容として、”なぜ手術を行ったのか”がわかるような記載が求められているのだと思います。その問いへの対応として”手術前の評価でT2(2期)の乳癌だとおもったからです”という記載となっているのだと思います。保険会社によっては、最終的な病理学的ステージの記載まで求める場合と、そうでない場合がありますので、どこまで書くべきなのかは保険会社の書式により異なってきます。
ただし、今後のはなさんの治療を決めるのに最も大切なのは画像評価による分類ではなく、切除した腫瘍の病理学的な評価(はなさんの場合には浸潤径が1.5mmとのことなので、書くとすればpT1a、1期という記載になると思います)です。はなさんのお考えのように、術後病理のほうが、今後の治療方針を決めたり、予後を評価するためにはより正確な情報となります。
医学用語はわかりにくいことも多いですね。
でも、ご自身の状態を正確に知ることはとても大切なことです。
今回の不安が少しでも解消されれば、と願います。
Re:乳がんのステージの決め方に関して
はな(千葉県)
2019/05/27
B先生
ご返信をいただきましてありがとうございます。
お礼が遅くなりまして大変失礼いたしました。
「今後の治療を決めるのに最も大切なのは切除した腫瘍の病理学的な評価」とうかがい、今まで調べてもはっきりした答えを得られず、抱えていたもやもやとした不安からすっと解放された思いです。
ステージがすべてではないとは思いますが、今後の術後治療の支えとなります。
本当にありがとうございました。
ご返信をいただきましてありがとうございます。
お礼が遅くなりまして大変失礼いたしました。
「今後の治療を決めるのに最も大切なのは切除した腫瘍の病理学的な評価」とうかがい、今まで調べてもはっきりした答えを得られず、抱えていたもやもやとした不安からすっと解放された思いです。
ステージがすべてではないとは思いますが、今後の術後治療の支えとなります。
本当にありがとうございました。
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