掲示板「チームオンコロジー」
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患者と医療者のコミュニケーション
乳癌 DCISの悪性度
jun(兵庫県)
2019/04/19
マンモグラフィーで石灰化病変、エコーにて8mm大の病変を指摘され、マンモトーム生検を受けました。その結果はDCIS of intermediate nuclear gradeでcomedonecrosisを伴っており、ER +(>95% allred score : PS5+IS3=TS8, J-score 3b(高レベル), PGR +(>80-90% allred score : PS5+IS3=TS8, J-score 3b(高レベル)とのことであり、癌はほとんど取れてしまったかもしれないということでした。
全摘を行い(私の強い希望)、今回術後の病理結果がでたのですが、病変部位はあまり残っていなかったようでしたが(主治医曰くおそらく生検で大部分がとれてしまった)、DCIS 乳管内進展4mm, intermediate grade, Ly0, V0。ER Score 3b, PgR sxore 0, HER2 0(陰性), Ki-67 +、乳癌部分ではCD10, p63筋上皮に陽性、KD5/6, CK34βE12陰性であり浸潤癌はみられませんと言う結果でした。
自分なりに調べたりしてみて、DCISといえど再発リスクや微少浸潤の有無が気になります。生検と術後でPgRが陰性となっているということは術後の癌部分が少なかったので、でなかっただけなのか。またもしそうなら、今回HER2は陰性ですが、生検部分にHER2陽性部分が含まれていた可能性もあるのだろうかなど気になります(生検時は調べられていません)。また、ki-67+というのはどの程度の数値ことを指すのか、DCISでは+orー表記だけになるのでしょうか。
治療方針としましては主治医と相談した結果、タモキシフェンを5年間飲んでいくこととなりました。現時点での治療方針は変わらないとは思いますが、病理検査のセカンドオピニオンも考えております。その際、術後病理と生検病理の両方があったほうがよいのでしょうか。
何卒宜しくお願いいたします。
全摘を行い(私の強い希望)、今回術後の病理結果がでたのですが、病変部位はあまり残っていなかったようでしたが(主治医曰くおそらく生検で大部分がとれてしまった)、DCIS 乳管内進展4mm, intermediate grade, Ly0, V0。ER Score 3b, PgR sxore 0, HER2 0(陰性), Ki-67 +、乳癌部分ではCD10, p63筋上皮に陽性、KD5/6, CK34βE12陰性であり浸潤癌はみられませんと言う結果でした。
自分なりに調べたりしてみて、DCISといえど再発リスクや微少浸潤の有無が気になります。生検と術後でPgRが陰性となっているということは術後の癌部分が少なかったので、でなかっただけなのか。またもしそうなら、今回HER2は陰性ですが、生検部分にHER2陽性部分が含まれていた可能性もあるのだろうかなど気になります(生検時は調べられていません)。また、ki-67+というのはどの程度の数値ことを指すのか、DCISでは+orー表記だけになるのでしょうか。
治療方針としましては主治医と相談した結果、タモキシフェンを5年間飲んでいくこととなりました。現時点での治療方針は変わらないとは思いますが、病理検査のセカンドオピニオンも考えております。その際、術後病理と生検病理の両方があったほうがよいのでしょうか。
何卒宜しくお願いいたします。
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Re:乳癌 DCISの悪性度
B(茨城県)
2019/05/02
junさま。乳腺外科医のBです。
手術を無事に終えられなによりです。
治療方針については主治医の先生とよくご相談されていらっしゃることが伺えます。また、今後について考えるために病理結果についてよく考えられていらっしゃいますね。
乳がんの診断においてER、PgR、HER2などは針で採取した生検の結果と、手術の検体の結果では一致しないことは一定頻度で生じます。原因としては腫瘍の中でもそれらの発現のある部位とあまりない部位が混在しており生検では一部分しか評価できないため、あるいは検体の大きさが異なるので、サンプル取扱条件が一致しないために結果がやや異なって見える場合などが考えられます。
病理の診断は、将来再発のリスクがどの程度あるのかの予測、またあくまで次に何をするべきかの手がかりとして行います。そのため、生検と手術での評価が一致しない場合、その不一致により治療方針が大きく異なるかどうか、により再評価をすることもあります。
junさまの場合は、ERが強く陽性であることよりタモキシフェンの適応と考えられているのだと思います。PgRは強く陽性であっても陰性であってもタモキシフェンの適応であることは揺らがないと思われます。また非浸潤がんにおけるHER2の評価は必ずしも必須とはされていません。浸潤癌ではHER2が陽性の場合には抗癌剤治療や抗HER2治療の適応となります。一方、非浸潤がんの場合、あるいは浸潤癌があっても浸潤している部分がごくわずか(微小浸潤癌)の場合には遠隔転移のリスクはごく僅かであり、化学療法などの適応とはなりません。結果により治療方針に影響を及ぼさない検査は必須ではないということになります。junさんの場合には生検でとられた非浸潤がんの部位にHER2の発現があっても、治療方針には影響がないと考えられます。
Ki67の+か-表記というのは一般的ではないように思いますが、施設の基準があるかもしれないので、主治医の先生に伺って見られてはいかがでしょうか。(HER2と同様にKi67の結果で治療方針に大きな影響はないと思われますが)
セカンドオピニオンを受けられる場合には、ご自身が聞きたいことを明確にしておくと、よろしいかと思います。そしてまずは主治医に聞いてみてください。そのうえで主治医の協力も得て、資料の準備をされることがよいでしょう。
医療の中では病理検査のみならず、検査値などが一致しないなどの不確実さがあります。それらが皆様の不安の種となっていることもありますね。
医療者とのコミュニケーションや連携が不安解消に繋がりますように願っております。
手術を無事に終えられなによりです。
治療方針については主治医の先生とよくご相談されていらっしゃることが伺えます。また、今後について考えるために病理結果についてよく考えられていらっしゃいますね。
乳がんの診断においてER、PgR、HER2などは針で採取した生検の結果と、手術の検体の結果では一致しないことは一定頻度で生じます。原因としては腫瘍の中でもそれらの発現のある部位とあまりない部位が混在しており生検では一部分しか評価できないため、あるいは検体の大きさが異なるので、サンプル取扱条件が一致しないために結果がやや異なって見える場合などが考えられます。
病理の診断は、将来再発のリスクがどの程度あるのかの予測、またあくまで次に何をするべきかの手がかりとして行います。そのため、生検と手術での評価が一致しない場合、その不一致により治療方針が大きく異なるかどうか、により再評価をすることもあります。
junさまの場合は、ERが強く陽性であることよりタモキシフェンの適応と考えられているのだと思います。PgRは強く陽性であっても陰性であってもタモキシフェンの適応であることは揺らがないと思われます。また非浸潤がんにおけるHER2の評価は必ずしも必須とはされていません。浸潤癌ではHER2が陽性の場合には抗癌剤治療や抗HER2治療の適応となります。一方、非浸潤がんの場合、あるいは浸潤癌があっても浸潤している部分がごくわずか(微小浸潤癌)の場合には遠隔転移のリスクはごく僅かであり、化学療法などの適応とはなりません。結果により治療方針に影響を及ぼさない検査は必須ではないということになります。junさんの場合には生検でとられた非浸潤がんの部位にHER2の発現があっても、治療方針には影響がないと考えられます。
Ki67の+か-表記というのは一般的ではないように思いますが、施設の基準があるかもしれないので、主治医の先生に伺って見られてはいかがでしょうか。(HER2と同様にKi67の結果で治療方針に大きな影響はないと思われますが)
セカンドオピニオンを受けられる場合には、ご自身が聞きたいことを明確にしておくと、よろしいかと思います。そしてまずは主治医に聞いてみてください。そのうえで主治医の協力も得て、資料の準備をされることがよいでしょう。
医療の中では病理検査のみならず、検査値などが一致しないなどの不確実さがあります。それらが皆様の不安の種となっていることもありますね。
医療者とのコミュニケーションや連携が不安解消に繋がりますように願っております。
Re:乳癌 DCISの悪性度
jun(兵庫県)
2019/05/10
お返事ありがとうございます。
混み合った外来診察の中で、治療方針に大きく関わらないような私の小さな疑問をいくつも質問するのは申し訳なくてなかなか言い出せないことも多いのですが、今回投稿させていただき、お返事をいただき、質問内容も整理できましたので、勇気を出して質問してみます。
ありがとうございました。
混み合った外来診察の中で、治療方針に大きく関わらないような私の小さな疑問をいくつも質問するのは申し訳なくてなかなか言い出せないことも多いのですが、今回投稿させていただき、お返事をいただき、質問内容も整理できましたので、勇気を出して質問してみます。
ありがとうございました。
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