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治療とその選択
EGFR変異陽性肺腺がんステージ3の治療方針について
石原(東京都) 2019/08/25
肺腺がんステージ3の標準治療として化学放射線療法後に免疫チェックポイント阻害薬イミフィンジによる根固めが推奨されています。

しかしEGFR変異陽性の肺腺がんは、免疫チェックポイント阻害薬は効きにくいことに加え、免疫チェックポイント阻害薬使用後は間質性肺炎リスクが高まり分子標的薬は使えないので、本当に根固めとしてイミフィンジをやるのが正しいのでしょうか。

転移が見つかり増悪した場合、せっかくEGFR変異陽性であってもでも分子標的薬は使えず、
次はどんな治療方針が考えられるでしょうか。

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Re:EGFR変異陽性肺腺がんステージ3の治療方針について
M(秋田県) 2019/08/31
石原様
 はじめまして、こんにちは。呼吸器内科のMと申します。この度は当掲示板へのご相談ありがとうございます。
ご質問いただきました件につきまして、私たち多職種のチームで検討させていただきましたので、返答させていただきます。

 今回ご相談いただいたStageIIIの肺がんで化学療法+放射線療法→免疫療法の地固め療法の目的は根治です。
つまり今回の治療を通じて肺癌を治してしまおうというのが目的です。
一方で初回治療からEGFR-TKIとよばれる分子標的薬を使用する目的は長期生存であり、基本的に根治はではないと考えられています。
一時的な奏効率は他の薬剤に比べると高く、生存期間も延長できますが根治をめざした治療という立ち位置ではないと認識しています。

 ですので、StageIIIの肺癌であった場合、根治を目指して放射線治療と抗がん剤の治療後にイミフィンジを使用することは、EGFR遺伝子変異をお持ちの方に対しても一般的に行われると思います。
もちろん必ず効果があると約束できるわけではありませんので、イミフィンジを使うかどうかについては主治医と十分な話し合いが望まれると思います。

 また石原様が懸念している 再発時のことに関してもコメントさせていただきます。
① EGFR 遺伝子変異をお持ちの方に免疫チェックポイント阻害薬は効果が低いのではないか?
イミフィンジではない免疫のお薬ではそのような結果が出ています。しかしながら今回使用しているイミフィンジではそのような結果は確認されていません。治療効果を確認した臨床試験でも、EGFR遺伝子変異をお持ちの患者さんにもイミフィンジは効果ありとされていますが、評価した人数が少ないので、統一した意見はまだ確認できていません。ただ使えないとは考えられていません。

② 免疫チェックポイント阻害薬を使用した後に分子標的薬を使用できるか?
以前にオプジーボという免疫の薬剤が出たときに、オプジーボ使用後にオシメルチニブ(分子標的薬)を使用した症例で間質性肺炎の合併があったことから注意喚起が出たことは事実です。しかしながら重篤な肺炎を合併してしまった症例はもともと間質性肺炎を合併していたと報告されていますので、使用を検討した時の全身状態によっては選択肢に入ると考えられています。

 もし石原様もしくは近縁の方がご相談いただいたような治療に向き合われているようでしたら、ぜひ主治医や看護師さん、薬剤師さんなど治療にあたるメディカルスタッフの方々と十分な話し合いをしていただき、少しでもご納得いく選択をされることをお勧めさせていただきます。もちろん直接相談しにくいことなどもあると思います、その際には『がん相談支援室』でのご相談も勧めさせていただきます。
 石原様および周囲の方々が少しでもご納得のいく治療を受けられるようにお祈り申し上げます。

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Re:EGFR変異陽性肺腺がんステージ3の治療方針について
石原(東京都) 2019/09/01
M先生
わかりやすいご説明ありがとうございました。

70代前半の親族が、投稿内容の標準治療でイミフィンジ を始めましたが、2ヶ月ほどで放射線性肺炎と悪性胸水発現となりました。
イミフィンジ は中止、胸水穿刺と胸膜癒着術を行い、現在はアリムタ カルボプラチン治療1クール目に入っています。

EGFR陽性ですが、放射線性肺炎があるため分子標的薬は使える時がくるまで温存しますと主治医。

ステージ3でも最初からEGFR変異陽性によく効く分子標的薬していたら、どうなっていたかと思い質問させて頂きましたが、完治の可能性があるかどうかにより治療方針がちがうことよく分かりました。
ありがとうございました。

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