掲示板「チームオンコロジー」

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エッセイを読んで
さくらさまへ
S(鳥取県) 2019/09/20
さくらさま
折角投稿頂いたのに、お返事が遅くなって申し訳ありません。
鳥取で腫瘍内科医をしているSと申します。
がんの治療は決断の連続とはいえ、心がお辛いことと思います。この掲示板では治療方針について直接的なコメントはできないことをご容赦ください。

(1)比較的早い段階で手術されたと思います。乳癌の大きさや進み具合からは確かに担当の先生が言われる方針に賛成できそうです。ところが、さくらさまがおっしゃる通り、個々の項目を拝見すると気になるところも確かにあります。病理検査の特定の項目だけで、抗がん剤をするかどうかを決めることはありませんけれど、ご納得がいかない場合は、セカンドオピニオンを担当の先生にお願いする方法や、複数の遺伝子を調べて将来の再発予測をして治療内容を決める(オンコタイプDx)などの方法を検討する方法があります。

(2)ホルモン受容体陽性乳癌ですので、10年程度通院をお願いする方だと思います。その後は、検診に戻っていただくようお願いすることが多いと思います。ですので、もしかすると担当の先生のご説明が、さくらさまに上手く伝わっていないのかなと心配しました。解りにくいときはご質問してくださいね。医療者は、きちんと伝えたつもりなのに、誤解して伝わったということは残念ながらよくあることです。

(3)乳癌が再発や転移をすると、一般的にはやはり難しい状態です。ただし、そのような状況でも場所によっては治る可能性がある場合もあります。その時にしっかりと治療法を相談することがとても大切だと思います。けれど、今はと治すことを考えましょう。運動し、バランスの良い食事をするなど一般的なことをしていただけば、特別になにかしなければならないということはないと思います。「笑って過ごしましょう、同じ時間を過ごすなら、笑っている方が幸せです。」と私が尊敬する先生はこんな風にお伝えになるそうです。

長い治療になります。さくらさまが納得して、根気よく治療と向き合い続けることが大切です。もし医師へ思いを伝えるのが難しいのであれば看護師などの他の職種でもよいのでお話ししていただけると医師とのコミュニケーションがうまくとれることにつながると思います。
治療を始める今がとても大切ですから、医療者とのコミュニケーションを深め、さくらさまにとって良い治療になることを祈っています。

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Re:さくらさまへ
さくら(神奈川県) 2019/09/21
S先生
ご返信をありがとうございます。
掲示板のカテゴリーを誤っていたようでもあり、私の投稿は昨日削除してしまったところでした。しかし相変わらず不安を抱えたままでしたので何かヒントをいただけないかとこちらをまた拝見し…返信を頂いていたことに気づきました。感謝いたします。

2番目、3番目につき承知しました。「笑って過ごしましょう…」本当に素敵な言葉です。そうありたい。ありがとうございます。

1番目につき、もしよろしければ、どの辺が気になるポイントであったかご教示いただけないでしょうか。

病理検査結果の内容は、医師からもらったものではなく、カルテ開示請求をして入手したものです。医師からの検査結果の説明は一切なく、今後の治療内容を伝えられるだけでした。サブタイプが何かと訊ねても『そういうことはどうでもよい』と一蹴されたという状況です。
タモキシフェン服用のみ、とのことでしたのでルミナルAなのかなとは思っております。


恐れ入りますが追加で質問させていただいてもよろしいでしょうか。
自分の患者が他の医師にセカンドオピニオンを求めることについて、医師の本音としてはどうなんでしょうか。
実は当初より主治医とうまくコミュニケーションが取れていないと感じてきており、手術についても『全摘しかありえない』の方針をすぐに受け入れることができなかったため、セカンドオピニオンを2か所でとった経緯があります。それがまずかったかなぁと今でも気になっています。

ご対応下さり、誠にありがとうございます。
よろしければ上記2点、どうかよろしくお願い申し上げます。

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Re:さくらさまへ
S(鳥取県) 2019/09/24
さくらさま

私の理解不足が大きいと思いますので、ご容赦ください。お伝えくださった内容からは担当医とのやり取りでとても苦労をしておられるようですね。以前もお伝えした通り、他職種、特に看護師さんを巻き込んで、担当医とのコミュニケーションが深まるといいと願っています。ところが、さくらさまは担当医にいろいろとご質問くださっているのに、書いてくださった通りの対応だとすると、いろいろと困難を感じられることも当然のことだと思います。

ご質問に関して、個人的に気になるポイントはKi67値などです。閉経前、pT1c、腋窩リンパ節転移陰性、組織学的グレード2の方と伝えてくださいました。医師によっては抗がん剤治療を検討されるかもしれません。そうなると卵巣機能抑制療法も検討対象になると思います。このあたりは、私自身も外科系医師と意見が異なる場合があります。このような場合には、先にご紹介したオンコタイプDxを行って、抗がん剤治療の必要性を検討してみることも有用だと考えます。自費の検査だということもお伝えしておきます。ただし、私が現在参考にしているのは2017年に発表されたガイドラインです。2年おきに改訂されるガイドラインで、今年改訂される予定ですから、少し情報が古いかもしれません。ご注意ください。前回もお伝えしましたが、今回もセカンドオピニオンで他医の意見を求めることも一計です。

セカンドオピニオンを求められることについて医師がどう思うか、ご心配になっておられます。本音をお伝えします。「紹介用の資料をいつ作成しよう?」程度です。実は当院では私が権限を持っている時に、「セカンドオピニオンのご希望はありますか?」という一文を、病院で用いる「がん薬物療法の同意書」に盛り込みました。ただ、これは私のアイデアではなくて、他院に対して外部からそのような助言があったと伺ったことが改訂理由です。私が所属している学会では医療者から皆さまにセカンドオピニオンのご希望がないか伺うように教育をうけています。なるべく第一線の施設に紹介させていただくことで、私自身にも勉強になる機会ととらえています。紹介先の先生にはご負担をかけてしまいますが、患者さん側で心配されることではないと考えています。とはいえ、「それがまずかったかなぁ」と気にされるお気持ちも理解できます。なかなか難しいです。これから長い治療をうけられます。医療者との付き合いも長くなります。コミュニケーションを深め、納得や相互理解を深めることはとても大切ですが、患者さんにも医師にも様々な方がありますので、上手くいかないこともあると思います。セカンドオピニオンなどで一度お話になってみてから、さくらさまが安心できる医師であれば、改めて治療目的の紹介をしていただくなどの方法があります。

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Re:さくらさまへ
さくら(神奈川県) 2019/09/24
S先生

お忙しい中、ご丁寧にご返信を下さりありがとうございます。
拝読いたしました。

Ki67値は明確な基準がないようで、患者としてはどう受け止めればよいかわかりません。しかしS先生のようにどういったポイントを考慮して治療を検討するのか教えてくだされば、まったく抵抗なく受け入れることができます。

お書きくださったようにセカンドオピニオンを求めることにします。いま通っている病院ではオンコタイプDxを受け付けていないので、これをやらせてもらえる病院に申し込もうと思います。自費で40~50万円程度のようですね。そういった検査があるとは知りませんでしたので想定外の出費にはなりますが、それだけの価値があると思います。治療方針に不信感を抱いたまま過ごして、再発や転移でもしてしまったら後悔しきれません。

次に主治医に会えるのは、処方されたタモシキフェンがなくなる3か月後です。(薬の副作用もあるでしょうが、なにかあっても他に処方できる薬がないのだそうです。辛抱して、定期的に処方箋をもらいに行くのが私の今後の唯一の治療ということです)3か月後の外来まで、治療方針に納得がいかないままとなるのが歯がゆいです。こうしている間にもどこかで増殖しているのではないかとすら思えてしまいます。効果が期待できるものはすべて試したいというのが一番の望みです。

セカンドオピニオンに対する「本音」をお聞かせくださりありがとうございます。そうでなくても多忙を極めている医師には申し訳ないのですが、制度としてあるものを利用するのだと割り切って納得のいく選択をしたいと思います。

お忙しい中、何度もご丁寧に回答を下さいまして誠にありがとうございます。深く感謝申し上げます。

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