掲示板「チームオンコロジー」

Bulletin board

治療とその選択
トリプル乳ガンの治療について
Y(静岡県) 2021/03/30
トリプル乳ガンの診断をうけ、fec療法を4クール終えました。治療前4cm程あったのが3クールで2cm程まで小さくなり喜んでおりましたが4クール終えたところで一回り程大きくなっていました。次はタキソールを予定しておりますが、また耐性ができて大きくならないか不安です。fecで耐性ができてしまい残念な結果でしたが、もし次のタキソールで小さくなった場合は予後はすこしでも良くなる可能性はありますか?タキソールでまた耐性を獲得してしまい、同じような結果になった場合の予後、今後期待できる治療はあるのでしょうか?

Re:トリプル乳ガンの治療について
J-TOP掲示板担当(東京都) 2021/04/03
トリプルネガティブ乳がんでは、「細胞傷害性抗がん剤」であるFEC療法とタキサン系薬剤が順次行われます。細胞傷害抗がん剤は、細胞が増えていく仕組みを邪魔することでがん細胞を攻撃しますが、正常な細胞にも影響を及ぼします。この薬剤には副作用が現れやすい問題があり、例えば悪心嘔吐、脱毛、眩暈、肝臓や腎臓の機能障害が挙げられます。Y様がFEC療法を頑張ってこられた過程でも、副作用が大変だったと思います。FECとタキサンのどちらを先に実施するかは、治療によるメリットと副作用のデメリット、患者様の生活への影響の兼ね合いで決められます。
 Y様は、FECを4クール実施されて、次にタキサン系薬剤を実施されるのですね。腫瘍の大きさが拡大したとのことですが、FECが効きにくい場合であっても、タキサン系薬剤が効くという可能性はあります。その辺りは、各種検査データを統合しながら評価していきます。治療が有効であるのか、患者さんにとってメリットがある治療が出来ているのか、メリットよりもデメリットが大きくなっていないかなどを考慮し、最善の治療方針が検討されます。
 がんの性質や状態から、推奨される治療はある程度決まっています。しかし、治療方針を決める上では、患者さんが何を大切にしているのかが非常に重要となってきます。ですので、Y様が抱えているご質問にあるような不安について、主治医に伝えてみることをおすすめします。

こちらのサイトも参考になるかと思います。

患者さんのための乳がん診療ガイドライン:https://jbcs.xsrv.jp/guidline/p2019/
日本乳癌学会:https://www.jbcs.gr.jp/

Y様が不安なく治療に臨まれますよう、J-TOP一同祈っております。

記事内容を変更することはできません。記述を修正したい場合はコメント欄を使って補足・訂正を行ってください。