掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
肺がん治療 テセントリクについて
ゆうこ(埼玉県) 2021/04/26
初めてこちらに投稿させていただきます。
家族の肺がん治療について、聞いていただきたいことがあります。
セカンドオピニオンのようなご相談はできないということは承知しておりますが
どう判断したらいいのかに悩んでおりますので、何か治療の選択へのヒントを与えてくださると幸いです。

70歳 女性 非小細胞肺がん・腺がん 2019年1月に右下葉切除 pT2aNOMO ⅢA 術後化学療法シスプラチン+アリムタを4クール
2020年7月検査にて再発確認 EGFR遺伝子変異(L858R)有り
タグリッソ服用開始 奏功
2021年4月CT検査にてタグリッソ服用をやめ、下記2つの治療を提案される
(←原発憎悪なのか再発部分の憎悪なのか、新たな治療を提案された経緯があまり
  良く分からないのです。本人から聞き出せず)

①カルボプラチン+アリムタ
②カルボプラチン+パクリタキセル+アバスチン+テセントリク

②の治療は、副作用もきつく、少しつらい治療になるかもとの主治医からの説明でした。また、その副作用により万が一の可能性があると伝えられたようです。
①は、術後化学療法と同じようになるので、たぶん副作用は②に比べて穏やかであろうとのお話。

こちらの2つの治療を連休明けに選択して治療開始するから、決めてくるようにとの主治医からのお話でした。
患者自身は、今の健康状態は良く、現在は目立って生活の質を下げるような症状は見られません。降圧剤服用中、心疾患の既往歴はあります。

いろいろ調べて疑問なのは、タグリッソ耐性?が見られたところで、またアリムタという割とマイルドな薬剤に戻ることがあるのか、そして術後化学療法とは言え、一度使った薬剤を使って奏功の可能性はあるのかということが1つ。
また、②の治療パターンは昨今、出てきたものだと思いますがこの組み合わせが奏功する可能性があるのは、化学療法をまだ受けたことがない患者に対してでのエビデンスで、すでに化学療法を受けたことのある患者に対しての治療は特にEGFR遺伝子変異患者に対してのエビデンスはまだないのではないかと思っています。
素人のネットを探した情報での判断ですが。
テセントリクの情報がまだ少ないので、強い副作用に対しての懸念が非常にあります。

主治医の提案があまりにも両極端なような気がしています。
何か意図するものが見えてこないので、直接聞ければいいのですが、院内の相談センターにご相談にいくことももちろん考えています。

以上の情報で何かお気づきの点あればご助言いただければ助かります。
何も医学知識がない中での漠然とした治療選択を迫られましたので、こうして専門家のご意見をうかがえる機会がいただければ幸いです。

どうぞよろしくお願いします。

Re:肺がん治療 テセントリクについて
K(東京都) 2021/04/30
JTOP掲示板担当医師です。
ご相談いただきましてありがとうございます。ご家族様の治療選択について大変悩まれている様子であり、少しでもお力になることができればと思います。
現在の限られた情報から掲示板という環境で治療の選択について特定の選択肢をお勧めすることは残念ながらできません。①カルボプラチン+アリムタ、(②カルボプラチン+アリムタ+アバスチン)、③カルボプラチン+パクリタキセル+アバスチン+テセントリクはいずれも治療選択肢になりうるのではと推察します。①については、すでに投与済みであっても投与中の増悪が明確に確認されていなければ、効果が薄れているとまでは言い切れません。使用しやすい抗がん剤のひとつです。③については一次治療の抗がん剤ですが、EGFR遺伝子変異陽性の方が分子標的薬を使用した次の治療ラインで使用するケースは少数ながらあります。これはEGFR遺伝子変異陽性症例が③の臨床試験に若干組み込まれており、その拡大解釈によるところです。EGFR遺伝子陽性症例においてはテセントリクなどの免疫チェックポイント阻害薬は単独ではやや効果を期待しにくいというデータがあり、複数の薬剤と組み合わせによって安定した効果を期待することがあります。②は両者の中間のような選択肢ですが、ありえるかもしれません。
薬剤の選択には腫瘍の特性や経過、懸念される副作用、患者様のご意向などによる総合判断ですので、必ずしも正解が一つとは限りません。主治医の先生とよくご相談になり、今一度それぞれの選択肢のメリットやデメリットをご本人様の視点でご検討いただければと思います。
皆様の不安が解消され、よりよい治療に向かわれることを願っております。
Re:肺がん治療 テセントリクについて
ゆうこ(埼玉県) 2021/05/01
ご担当者様

丁寧に回答くださり、ありがとうございます。
セカンドオピニオン的な回答はいただけないことは重々承知しておりますので
今回の回答内容で十分に参考になりました。寄り添っていただきありがとうございます。

アリムタは、術後補助化学療法でしたので奏功したのかしてないのかというのがいまいち不明なところですが、一度使ったから使えないそして効かないわけではないというのもよく分かりました。
あれから、肺がん診療ガイドラインも取り寄せて、読み込んでいます。
テセントリク(アテゾリズマブ)の副作用が怖い、新しい薬だから未知の世界だとずっと思いこんでしまっていたのですが、ご回答くださったようにガイドラインでは、アテゾリズマブのことにも触れておりまして、よく分かりました。その前にパクリタキセルやアバスチンにも副作用はありますし、アリムタにも個人差はあれ副作用はあるので、しっかり勉強した上で考えたいなと思います。

もちろん、治療の選択をするのは本人ですし、現在提示されているものが大幅に道を外したものでないものもよく分かったので、本人が望めば家族でよく話し合い、知っている知識や情報は開示して判断を任せるつもりです。

私は4年前に家族を肺がんで亡くし、そこから2年経たずしてまた家族に肺がんが見つかるという状況におります。
前回もセカンドオピニオンをとったり、複数の患者会を駆けずり回ったりして一生懸命、治療法を模索し続けましたが、力及ばずでした。でも、これはどんなに頑張ろうとそれに比例して何とかなるものではないのだとよく分かっています。
(そういってしまっては希望がないとご気分を害された方がいたらすいません)
今回、いい意味で落ち着いており前回の反省をいかし、本人と一緒に病と向き合い本人に寄り添うつもりでおります。

こちらの掲示板内に肺がんについてのテーマは多いですし、他の方の例も情報として大変助かります。私の投稿もどこかでどなたかの役に立てれば幸いです。
この度は、ありがとうございました。

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