掲示板「チームオンコロジー」
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治療とその選択
ホルモン治療の選択を迷っています。
とも(神奈川県)
2022/09/13
こんにちは。よろしくお願いいたします。
今年の5月に乳がんの手術が終わり、そして、25回の放射線治療も無事に終わりました。
手術が終わってから、放射線は主治医からするように言われていました。部分切除なので、放射線治療が標準治療とのことでした。
また、ホルモン治療については、「やってもやらなくてもよい。」
先生ご自身でしたら?の質問には、「ノーコメント」と言われてしまい、今現在も迷っています。
今、いろいろ選択肢があるからこそ迷ってしまいます。なければ、主治医に素直に従うのみだと思っています。
素人なので、判断材料もなく困っています。
どうぞお力をお願いいたします。
マンモトーム生検と手術病理の結果は
非潤浸(pTis) 15mm以下
脈菅侵襲陰性
異型 軽度
ホルモン感受性陽性
ER PS5 IS3
Pgr PS3 IS2
HER2 過剰発現認めず
Ki67 低値
リンパ転移認めず
BACA 異変なし
この場合、一般的には、ホルモン治療を受けるものなのでしょうか。受けないものなのでしょうか。
また、生理が半年以上ありません。
51歳ということもあり閉経に近づいているので、
ホルモン治療をしなくても、ホルモンは減っててることは加味されるのでしょうか。
長々すみませんが、少しでも情報をいただけると助かります。
よろしくお願いします。
今年の5月に乳がんの手術が終わり、そして、25回の放射線治療も無事に終わりました。
手術が終わってから、放射線は主治医からするように言われていました。部分切除なので、放射線治療が標準治療とのことでした。
また、ホルモン治療については、「やってもやらなくてもよい。」
先生ご自身でしたら?の質問には、「ノーコメント」と言われてしまい、今現在も迷っています。
今、いろいろ選択肢があるからこそ迷ってしまいます。なければ、主治医に素直に従うのみだと思っています。
素人なので、判断材料もなく困っています。
どうぞお力をお願いいたします。
マンモトーム生検と手術病理の結果は
非潤浸(pTis) 15mm以下
脈菅侵襲陰性
異型 軽度
ホルモン感受性陽性
ER PS5 IS3
Pgr PS3 IS2
HER2 過剰発現認めず
Ki67 低値
リンパ転移認めず
BACA 異変なし
この場合、一般的には、ホルモン治療を受けるものなのでしょうか。受けないものなのでしょうか。
また、生理が半年以上ありません。
51歳ということもあり閉経に近づいているので、
ホルモン治療をしなくても、ホルモンは減っててることは加味されるのでしょうか。
長々すみませんが、少しでも情報をいただけると助かります。
よろしくお願いします。
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Re:ホルモン治療の選択を迷っています。
乳腺科医(愛知県)
2022/09/19
ともさん、乳がんの手術と放射線治療、お疲れ様でした。
ともさんのお悩みにお答えするに当たって、まず乳がんの術後の薬物療法(ホルモン療法を含む)は何のためにするのか、を説明いたします。
手術や放射線をして画像で見える癌を体から取り除いても、一定の数で肺や骨に遠隔転移を来される方がいます。それはどうしてかというと、手術をする時点でがん細胞が血管やリンパ管に入り、体を循環したり体のどこかに潜んだりするためです。その、見えないがん細胞に対して攻撃するのが癌の術後の薬物療法の目的です。
いっぽうで、ともさんの様な非浸潤癌のかたは、乳管の内側にまだ乳がんが留まっています。つまり乳がんの細胞が、乳管の外側にある血管やリンパ管にまだ接しておらず(浸潤癌になると接する確率がぐんと上がります)、手術が終わった現在、がん細胞が体に入っている確率は極めて低いのです。
非浸潤癌の場合、遠隔再発があとで起こる確率は極めて低い、1%以下と考えられます。
その状態で遠隔再発を抑えるためのホルモン療法をするメリットはないと考えられます。
一方で残った乳房や対側の乳がんの予防のためにホルモン療法をのむ、という考え方もあります。しかし、日本においては標準的に行われている訳ではありません。
ともさんのような非浸潤癌に術後ホルモン療法を処方するか否かは正直、日本の中でも地域差や、施設間の差、主治医の考えの差が大きくあるのが現状です。
私はホルモン療法にも副作用は有り、乳がん術後は対側のマンモグラフィーフォローを自分の施設では10年間術後に継続していることもあり、非浸潤癌の術後にはホルモン療法の処方を行っていません。
長くなりましたが、このお返事がともさんの選択のお役に立てば幸いです。
ともさんのお悩みにお答えするに当たって、まず乳がんの術後の薬物療法(ホルモン療法を含む)は何のためにするのか、を説明いたします。
手術や放射線をして画像で見える癌を体から取り除いても、一定の数で肺や骨に遠隔転移を来される方がいます。それはどうしてかというと、手術をする時点でがん細胞が血管やリンパ管に入り、体を循環したり体のどこかに潜んだりするためです。その、見えないがん細胞に対して攻撃するのが癌の術後の薬物療法の目的です。
いっぽうで、ともさんの様な非浸潤癌のかたは、乳管の内側にまだ乳がんが留まっています。つまり乳がんの細胞が、乳管の外側にある血管やリンパ管にまだ接しておらず(浸潤癌になると接する確率がぐんと上がります)、手術が終わった現在、がん細胞が体に入っている確率は極めて低いのです。
非浸潤癌の場合、遠隔再発があとで起こる確率は極めて低い、1%以下と考えられます。
その状態で遠隔再発を抑えるためのホルモン療法をするメリットはないと考えられます。
一方で残った乳房や対側の乳がんの予防のためにホルモン療法をのむ、という考え方もあります。しかし、日本においては標準的に行われている訳ではありません。
ともさんのような非浸潤癌に術後ホルモン療法を処方するか否かは正直、日本の中でも地域差や、施設間の差、主治医の考えの差が大きくあるのが現状です。
私はホルモン療法にも副作用は有り、乳がん術後は対側のマンモグラフィーフォローを自分の施設では10年間術後に継続していることもあり、非浸潤癌の術後にはホルモン療法の処方を行っていません。
長くなりましたが、このお返事がともさんの選択のお役に立てば幸いです。
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