掲示板「チームオンコロジー」

Bulletin board

治療とその選択
アメリカでの大腸がんステージⅡハイリスク術後補助化学療法について
KAYLA(海外在住) 2023/03/18
はじめまして。
現在アメリカで治療中です。

大腸がん S状結腸
3月上旬 低位前方切除
ステージⅡ ハイリスク

先日病理診断報告とともに
体力もあり手術によるダメージも少なく
栄養状態も良い今だからこそ
積極的に補助化学療法を奨めたいと話がありました。

しかし日本のJSCCR大腸がん研究会など
がん治療に関するサイトを見ると
リキッドバイオプシーの結果などは考慮するが
ハイリスクのみでは補助化学療法は
弱く推奨すると書いてあり
このまま化学療法をして良いのか
決断できかねています。


国が違えば
医師が違えば
患者の病状が違えば
治療が変わるのは理解しておりますが


アメリカと日本
両方のがん治療に精通していらっしゃる
上野先生をはじめ
先生方は
ハイリスクの補助化学療法について
どのように考えるのか
お話を伺いたいと
投稿させていただきました。

何卒よろしくお願いします。


↓以下EHRより部分抜粋の私の状態です

Laparoscopic partial colectomy with anastomosis and coloproctostomy w robot

Large Intestine Adenocarcinoma - Sigmoid Colon

Reviewed pathology in detail today showing Invasive adenocarcinoma, moderately to poorly differentiated, extending through the muscularis propria into the pericolonic tissue. 31 lymph nodes, negative for carcinoma
This places her at stage II.

Re:アメリカでの大腸がんステージⅡハイリスク術後補助化学療法について
JTOP掲示板担当(東京都) 2023/03/31
KAYLAさん

ご質問ありがとうございます。米国での手術、治療でご心配もあったことかと存じます。
ご相談のとおり、2019年ガイドライン上では補助化学療法の推奨については、弱い推奨とされていました。

病理結果から、poorly differentiatedというところでハイリスクという判断に至ったのかと思います。おっしゃる通り議論が分かれる点ではあるのですが、日本においても病理結果からハイリスク症例となれば、補助化学療法の対象になるかと思います。メリットとデメリットの比較という視点になるでしょう。

術後補助化学療法は、その効果を決して知りえない治療です。治療をしてみて例えば10年後に再発しなかった場合、それは治療をしたから再発しなかったのか、しなくても再発しなかったのかは誰にもわかりません。同時に、治療をせずに10年後に再発した場合、それは治療をしなかったから再発したのか、しても再発していたのかも誰にもわかりません。治療をしても再発してしまう方もいますし、しなくても再発しない方もいます。
しかし、術後補助化学療法を扱った多くの臨床試験で、治療をしなかったら再発したけど、治療をしたから再発を防げたような患者さんが一定数いることがわかっています。ここに照らしてKAYLAさんがどのようなタイプかはわかりませんが、抗癌剤治療と引き換えにがんの再発を予防できる可能性が上がるとなれば、術後補助化学療法を考える意義はあるのではないでしょうか。
あくまでも私見になりますが、もしKAYLAさんの体調が問題ないのでしたら、カペシタビンを6ヶ月は使いたいしたいところかと思います

あとはMSI検査を実施されていればその結果も考慮します。MSI-high 結腸癌切除後の補助療法はフッ化ピリミジン単独療法 が推奨されないとしている一方で、他の治療については期間の短縮は追記されたものの、補助化学療法は推奨されています。あまり頻度は高くありませんが、もしKAY LAさんが補助化学療法を好まれないようでしたら、こちらを確認することも一つかもしれません。

まずは、KAYLAさんの疑問を主治医に伝えることが大切かと思います。もちろん、治療にはたくさんの心配があるかと思います。副作用のみならず、費用の面など多岐にわたるものと思います。

たくさんの疑問をお伝えし、ご納得のいく治療方針を医療チームとともに考えていけるよう願っております。
Re:アメリカでの大腸がんステージⅡハイリスク術後補助化学療法について
KAYLA(海外在住) 2023/05/03
JTOP掲示板担当 さま

ご回答頂きありがとうございました。
また、お礼のメッセージが遅くなりまして
申し訳ございません。

その後甲状腺乳頭がんが発覚し
ダブルキャンサーの治療となりました。
かなりのタイトなスケジュールで
甲状腺左半分切除手術
切除後は経過観察のみとなりました。

甲状腺術後の経過にも問題ないとのことで
大腸がん術後化学療法に適するとされる
8週ギリギリでCapeOx療法3ヶ月を
スタートすることが出来ました。

化学療法を決断するにあたって
不安な気持ちを理解していただいたこと
かつ、治療することに対する意見を頂き
本当に背中を押して頂きました。

ありがとうございました。

記事内容を変更することはできません。記述を修正したい場合はコメント欄を使って補足・訂正を行ってください。