掲示板「チームオンコロジー」
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肺がんについて一般的な質問
T(岐阜県)
2024/09/08
①原発性肺がんから他の臓器に転移がある場合、更に他の臓器に転移する可能性は原発がんと転移がんのどちらともにあるのでしょうか。
②EGFR遺伝子変異陽性のためオシメルチニブ(タグリッソ)を服用している場合、EGFR遺伝子変異陽性であるということが理由で放射線治療は危険度が高いということはあるのでしょうか。
③原発性肺がん一つに他臓器転移が二つの場合はオリゴ転移に該当しないのでしょうか。
④オリゴ転移に該当するには、その状態が発見されてからある程度の期間(例えば一年以上経過など)を考慮する必要があるのでしょうか。
⑤現在発現しているがんが③に該当する場合でも、検査には限度があり既に他にがんが転移している可能性があるため放射線治療を行う意味はないのでしょうか。
⑥腫瘍内科のない病院ではがん治療は推奨されないでしょうか。
できる限り知識を増やして、後悔のない治療を選択したいと思います。
よろしくお願いします。
②EGFR遺伝子変異陽性のためオシメルチニブ(タグリッソ)を服用している場合、EGFR遺伝子変異陽性であるということが理由で放射線治療は危険度が高いということはあるのでしょうか。
③原発性肺がん一つに他臓器転移が二つの場合はオリゴ転移に該当しないのでしょうか。
④オリゴ転移に該当するには、その状態が発見されてからある程度の期間(例えば一年以上経過など)を考慮する必要があるのでしょうか。
⑤現在発現しているがんが③に該当する場合でも、検査には限度があり既に他にがんが転移している可能性があるため放射線治療を行う意味はないのでしょうか。
⑥腫瘍内科のない病院ではがん治療は推奨されないでしょうか。
できる限り知識を増やして、後悔のない治療を選択したいと思います。
よろしくお願いします。
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Re:肺がんについて一般的な質問
北の呼吸器内科医(北海道)
2024/11/14
呼吸器内科医をしているものです、私でわかる範囲でコメントさせてください。
①については、のちに新たな転移の病変が出現することはありえると考えられます。ある時点の検査では検出できる大きさではない細胞レベルの転移がのちに見える大きさのしこりに成長する場合と、転移病変のがん細胞が新たな転移を作る場合もどちらもありうると思います。新たな転移の可能性がある状況では、薬物療法のような全身的な治療により病変の制御を試みることがあると思います。
②についてはまだ定まった見解はないように思います。一部の臨床試験ではEGFR遺伝子変異の分子標的薬(この試験ではイレッサやタルセバでしたが)を使いながら放射線治療をしており副作用は放射線をしないで分子標的薬のみの治療をする場合と大きく変わりなかったとありましたが、少ない患者さんでの検証なので、これをもって大丈夫とは言えないと思います。いずれの治療方針でも、副作用の早期発見・早期対応を医療者も患者さん自身も心がけることが大切かと思います。
③④のオリゴ転移については世界共通の定義はないのですが、大元の病変(原発巣)+転移の病変(転移巣)2か所以内の状況をオリゴ転移とする場合が多いようです。そして、全身的な病状が落ち着いていることが前提になるかと思います。
⑤については確かに検査の限界もありオリゴ転移として放射線治療をしても、その後に新たな病変が出現することはあり得ると思われます。
先日、2024年度版の肺癌学会診療ガイドラインがホームページで見られるようになりました(肺癌学会のホームページからどなたでもご覧になれます)。そちらにはこのような対応で病気をおさえられる期間が延長される可能性もあり、弱く推奨(検討してもよいのでは)との記載になっています。
⑥各科でがん治療にあたっている医師がいましたら、必ずしも腫瘍内科がいる病院じゃないと治療を受けられない、受けるべきではないというわけではないと私は思います。
今回投稿された内容は、まだ医学的な観点からも情報が多くはなく、はっきりしていない部分です。個別性も高く、正解はなく判断もとても難しいものかと思います。私のコメントも一意見ですので、そのようにとらえていただき、病状を最も理解している存在である主治医の先生との相談が大切かと思いました。
①については、のちに新たな転移の病変が出現することはありえると考えられます。ある時点の検査では検出できる大きさではない細胞レベルの転移がのちに見える大きさのしこりに成長する場合と、転移病変のがん細胞が新たな転移を作る場合もどちらもありうると思います。新たな転移の可能性がある状況では、薬物療法のような全身的な治療により病変の制御を試みることがあると思います。
②についてはまだ定まった見解はないように思います。一部の臨床試験ではEGFR遺伝子変異の分子標的薬(この試験ではイレッサやタルセバでしたが)を使いながら放射線治療をしており副作用は放射線をしないで分子標的薬のみの治療をする場合と大きく変わりなかったとありましたが、少ない患者さんでの検証なので、これをもって大丈夫とは言えないと思います。いずれの治療方針でも、副作用の早期発見・早期対応を医療者も患者さん自身も心がけることが大切かと思います。
③④のオリゴ転移については世界共通の定義はないのですが、大元の病変(原発巣)+転移の病変(転移巣)2か所以内の状況をオリゴ転移とする場合が多いようです。そして、全身的な病状が落ち着いていることが前提になるかと思います。
⑤については確かに検査の限界もありオリゴ転移として放射線治療をしても、その後に新たな病変が出現することはあり得ると思われます。
先日、2024年度版の肺癌学会診療ガイドラインがホームページで見られるようになりました(肺癌学会のホームページからどなたでもご覧になれます)。そちらにはこのような対応で病気をおさえられる期間が延長される可能性もあり、弱く推奨(検討してもよいのでは)との記載になっています。
⑥各科でがん治療にあたっている医師がいましたら、必ずしも腫瘍内科がいる病院じゃないと治療を受けられない、受けるべきではないというわけではないと私は思います。
今回投稿された内容は、まだ医学的な観点からも情報が多くはなく、はっきりしていない部分です。個別性も高く、正解はなく判断もとても難しいものかと思います。私のコメントも一意見ですので、そのようにとらえていただき、病状を最も理解している存在である主治医の先生との相談が大切かと思いました。
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