掲示板「チームオンコロジー」

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家族関係とコミュニケーション
がんをどのように子供に伝えるか
上野 直人(海外在住) 2008/05/30
癌になったとき、どのように子供に伝えるかはとてもむずかしいし、苦しく感じる問題である。僕自身もこれに関してはかなり悩みました。

全米がん協会では
“子どもにだって、がんのように家族に影響を与えることについては、「知る権利」があります。何も知らせないことで、親と子の信頼関係が崩れるかもしれません。子どもは、普段とは“何かが違う”と気づいています。親は何も知らせないことで、子どもを守ろうと思うかも知れません。しかし、そのことが、子どもに必要以上の恐怖心を抱かせてしまうかもしれないのです。”

アンダーソンではこの問題にとりくむパンフレットを作っています。また、最近その翻訳が掲載された。
http://www11.ocn.ne.jp/~shin0219/pal-mdacc-pamphlet.html

年齢に関係なく真実をどのように伝えるかはとても大切な問題である。
皆さんの経験を教えてください。

Re:がんをどのように子供に伝えるか
りな(東京都) 2008/06/05
私自身のことでなく、対応した患者さんを通じて考えたことがあります。また、タイトルから少し外れるかもしれませんが、がんである事を伝えた後の家族関係に関してです。
40歳台の女性の方で、乳癌が見つかり術前治療が始まりました。副作用もほとんどなく、効果も出ていて、診断時に比べて本人は前向きになっているようです。
治療が始まってから、高校生の一人息子に話をしたようなのですが、息子がどのように受け止めているかわからない、とおっしゃっていました。病気の話をした後、息子さんは、お酒は飲まないように、などと監視役のように気遣ってくれるそうです。
ここからは想像でしかありませんが、病気の話はしたものの、息子がどのように感じているか踏み込んでは聞けない母親と、母を思いやっているけど自分に何ができるかわからない子供。子供の立場を考えると、将来に不安があるけど母親に余計な心配をかけたくないから思っていることを言えない。あるいは、動揺を必死で隠して母親の病気のことを聞けないという状況もあるかもしれません。母親も、体調が悪くても無理して頑張ってしまう時が来るかもしれません。
お互いを思いやるからこそ、本心が出しにくくなってしまうことが考えられると思います。「互いのありのままの気持ちを話し合う」ことができるようになるために、医療従事者に求められるサポートとしては、どのようなことがあるでしょうか。
Re:がんをどのように子供に伝えるか
上野 直人(海外在住) 2008/06/06
子供がどのように癌情報を受け取るかはなかなか予測できないです。私たちの病院では子供専門の臨床心理士がいてますが。いてなくても、出来ることはいくつかあると思います。特に10代の子供ですが。

1.重要な話をするときに一緒に子供と話をする。
2.子供のためにだけ病気説明する。
3.いつでも子供のためのリソースである。メールなどで連絡を取りやすくしてあげる。

つまり、子供であるからでなく、一人の個人として尊重してアプローチするのが重要だと思います。

Re:がんをどのように子供に伝えるか
うる姐御 (岐阜県) 2008/06/17
私は39歳で胃がんになり手術をしました。

娘11歳、息子4歳です

母はガンですと・・・娘には伝えました。

私の父は3年前にやはりガンで他界しており、娘はがんと言う言葉、病気を知り尽くしています。

そのためもあり、落ち込むどころか「お母さんなら大丈夫」と勇気と元気をくれました。

私としては、伝えることは辛く悲しいことでしたが・・・
もしものことを考え、正直に話しました。

以来子ども達は、私の体調を気遣ってくれますし、子供たちも健康管理をする事は大切と気がついてくれましたよ。
Re:がんをどのように子供に伝えるか
上野 直人(海外在住) 2008/06/19
心温まるお話を教えていただきありがとうございます。子供達が真実をしることにより、家族の絆が深まることがとても大切です。
Re:がんをどのように子供に伝えるか
うる姐御 (岐阜県) 2008/06/21
上野先生

ありがとうございます。

家族の絆・・・まさにそうだと思います。

家族あっての自分ですからね
Re:がんをどのように子供に伝えるか
上野 直人(海外在住) 2008/07/20
人間は確かにいずれ死ぬことになります。ただ、どのような死に方をするかは人それぞれです。

元気な人に死をどのように迎えたいかと「問う」と多くの人は自分で自分の運命を決めたいと返答します。

癌に、なっても同じです。最期にどのような場を迎えるかは本人問題です。それだけに、正確な情報を与え、本人の意志を尊重することが一人の人間としての尊厳を保てるのだと思います。


Re:がんをどのように子供に伝えるか
ゆき(海外在住) 2008/07/30
私自身40代後半で乳がんを見つけたとき当時6歳の娘にどう
話すか迷いました。手術や副作用で外見が変わるので説明しないわけにはいかず、怖がらせないように話すよう努めました。
治療の過程で不安を抱かせたこともあったと思います。
そんな時サポートグループがら子供用に借りた絵本が娘の気持ちを少しリラックスさせた様です。
絵本は乳がんをわずらった母親をもつ男の子の話しだったり、女の子の話しだったり同じような境遇の子供たちがでてきますが、娘にとって自分だけが乳がんのママをもつのではないことを知ることは心強かったようで、だいぶリラックスしたのが興味深かったです。

娘は病気に対して思いやりのある態度で接してくれ、また、
食生活の大切さを話し合うことがたびたびあり食生活改善につながりました。

治療中、感情の上がり下がりは避けられず、子供に理解し難かろう態度で接してしまった時の自己嫌悪はひどいものでしたが、夫が別室へよんで病気との関連んを説明してくれたのには助かりました。感情的になっている私には難しいので。
そんな時のサポーターのアドバイスは一貫して、話せばわかってくれるというものでした。どうしてそうなのか説明をしなさいというものでした。コミュニケーションの大切さをくりかえされました。

子供は思った以上の受容力と強さをみせてくれました。

一緒に生活していくなかで治療中、娘にがまんさせている部分が多いのではないか、表面にはでなくとも、フラストレーションを抱えて心の奥にしまっているのではないか、との心配から
児童心理サポートグループが提供しているプログラムに参加しました。心のなかに溜まっているものを発散させたり表現したりできるようプログラムされたものです。




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