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家族関係とコミュニケーション
がん患者さんのご家族
田口(大阪府) 2008/11/05
 がんの患者さんは治療や療養の過程でいろいろなことに悩まれ苦しまれていますが、がん患者さんのご家族もご家族なりに苦悩されていることがたくさんあると思います。
私は看護師として、そのようなご家族とお話する機会がよくありますが、「患者さんに気を遣って自分を抑えている。そんな気持ちを誰にも言えない」と話されます。
 ご家族の皆様はどのようにがん患者さんとコミュニケーションの工夫や気分転換をされているのでしょうか?

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Re:がん患者さんのご家族
nozomi(東京都) 2008/11/19
家族はもちろん本人ではないのですが、本人の代わりに用事をこなし、支えていくには、時には本人以上にすべてを知る必要があります。たとえば入院している場合、医療者とのやりとりや事務的なこと、また患者の身の回りの世話や今後の治療の相談など全般に関わることが必要な上、進行した病の場合、患者である本人と話すのにも非常に気を遣います。そして、なにより、悲しいという自分の精神的な打撃を抑えて支えていかなければなりませんよね。
家族は第3者であるとか、家族の悲しみは、患者には及ばないという声もあるかもしれませんが、そうではなく、一番近い最愛の肉親にとってこれほど辛いことはないと思います。また違った苦悩がそこにあると思います。

私は、主人の弟が闘病、他界した折に経験した主たる介護者の経験からは、仕事面をはじめ病気のこと、治療のこと、身の回りのこと、病院と本人との間で、いろんな意味で大変つらかったです。でも本当に辛かったのは実兄である主人で、日々の世話はしなくとも、弟の病気が発覚してからは、夜も眠れないでソファーでTVを一晩中つけて仮眠、食事もとれない状況が長期間続きました。とても心配でした。

長く書いてしまい、なにがいいたいかわからなくなりましたが、確かに家族は、日常の勤めを二人分果たすため、そして本人を励まそうと自分を抑えて笑顔で精一杯看病していると思います。そういう悩みを聞いてもらえる場も必要と思います。また、家族を失ったあとのケアも、ほしいと思ったことでした。

患者のかたに押しつけがましく聞こえましたら、お許しください。

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Re:がん患者さんのご家族
田口 (大阪府) 2008/11/20
nozomiさん、貴重なご意見をお聞かせくださり感謝致します。
nozomiさんのコメントの中にもありましたようにご家族は患者さんとまた違った苦悩をもっておられると思います。このことを常に考えてご家族に接することが私達医療者にとって必要ではないでしょうか?
患者さんのことを大切に思われれば思われるほどご家族はご自分を抑え、ご自分ことを後回しにされます。患者さんをサポートしているご家族をサポートするのは誰か?ご家族が必要なサポートを受けられているのか?このような視点でご家族を見ていくだけでもずいぶん変わってくるのではないでしょうか?

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Re:がん患者さんのご家族
上村(東京都) 2008/11/20
2年前に、4年間の闘病生活の後、家内を42歳で亡くした、子持ちの男やもめです。
私たち家族の場合は、たまたま米国(ヒューストン)に駐在中に家内の乳がんが見つかり、海外での闘病でしたので、参考になるかどうか判りませんが、以下に個人的な経験を述べさせて頂きます。

1.家内の場合、乳がんがかなり進行しており、完治は望めない状況でした。
そんな当時MD Andersonの医師から受けたアドバイスで、その後、私たち家族が指針としたものを、参考までに紹介させてください。

(1)癌を、糖尿病のような慢性病の一種と考えて、付き合っていく。
(2)癌のことばかり考えない。
(3)癌の研究は日々進んでいるので、頑張って少しでも長生きし、新しい治療法に期待する。

2.患者である家内と私との間では、子供のためにも「出来る限り今までどうりの暮らしをする。」ことを目指しました。
ですから、家内の調子が良い時は、家にこもらず外食にいったり、夏休みやクリスマス休みには旅行に行き、気分転換を図りました。
日本では、大事を取るタイプの医師も少なくないようですが、私ども家族は家内が化学療法の最中でも、状況が良い時は、カツラを被ったりバンダナ頭に巻いたりして、外出していました。(ただ、これは他人の目を気にしないですむ、かの地だから出来たのかもしれません。)

3.患者はやはり疲れやすいですし、行動に制約は出ますが、これは多分「他の慢性病」の患者さんも同様でしょう。
「命に関る重病人」というレッテルを家族自身が張ってしまって、大事を取って引きこもってしまうと、本人も家族も「病気のことばかり考えて」「癌最優先の生活」にはなってしまわないでしょうか?

化学療法が終わったら温泉に行くとか、何か家族で楽しい目標を具体的に話し合えるような状況だと、精神的には比較的楽だと思います。

4.出掛けるのが難しい状況にある場合でも、週末には好きなテレビドラマを一緒に見るとか。
人生の価値観は人それぞれでしょうが、余命XXの癌患者だって、そういう「普通のこと」を続けられることが、生きていく上で、大切ではないかと私は感じました。

5.患者も家族も、癌の診断が下った直後、あるいは検査の結果、病状の悪化が判明した時は、「絶望的な気持ち」になりますよね。

ただ、患者の家族としては踏ん張って、癌のことをある程度自分で理解し、医療者ときちんとしたコミュニケーションを取れるよう支えてあげることが必要だと、私は思いました。

(麻生首相ではありませんが、)医師もいろいろな種類の人が居ると思い、仕事から帰って、ほとんど徹夜で癌のことを調べ続けた時期もありました。

ただ、患者を支えることをやり過ぎると「癌が中心の生活」になってしまい、疲労困憊してしまうので要注意です。

6.疲労が溜まった結果、何で自分たちだけこんなに不公平な目にあうのだという「怒り」や、早く何とかしなければと言う「あせり」の感情が、ますます増幅されてしまい、結果的に周囲の人たちのことを良く思えなくなり、ますます辛くなりました。

7.やはり、家族にも、何らかの休息が必要だと思います。

個人の健康問題ではありますが、私ども家族の場合は、私の職場や子供の学校の関係者、隣人など、近くに居る人たちに状況を正直に相談し、何かの時は助けてもらえるように頼みました。

現在の状況を話せたり、ちょっと甘えられる相手が居るだけで、看護する側も随分気持ちが違うと思います。

患者さんや、元患者さんのネットワーク等、相談したり、気持ちをぶちまけられる場を、皆さんご存知でしょうか?
(このサイトも役に立つとは思いますが。)

医師でもセラピストでもないのに長々と偉そうなことを書いて、不愉快な思いをした方、「現実はそんなに楽ではないよ」という方もいらっしゃるかもしれませんが、私の駄文が何かの参考になれば幸いです。

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Re:がん患者さんのご家族
nozomi(東京都) 2008/11/21
田口さま、
闘病中はあまりに必死だったこともあり、家族がアドバスやサポートを受けられるなどとは考えてもみませんでした。しかも病院スタッフから。そういうサポートもあるとすれば、とてもいいことですね。

上村さんのアドバイス、とてもよくまとめてあって参考になります。
がんを忘れてできるだけ家族で楽しい時間を過ごすのが理想ですね。
偶然ですが、亡くなった家族も42歳でした。

>個人の健康問題ではありますが、私ども家族の場合は、私の職場や子供の学校の関係者、隣人など、近くに居る人たちに状況を正直に相談し、何かの時は助けてもらえるように頼みました。

周囲の人たちに助けてもらえるというオープンなところはとてもアメリカ的でいいですね。

私どものサイトのもので恐縮ですが、米国国立がん研究所のパンフレット紹介させていただきます。
こういったものを読むだけでも、他の方のことがわかって冷静になれたりもします。
『大切な家族ががんの治療を受けているとき』
http://www.cancerit.jp/xoops/modules/nci_pamphlet/index.php/04when_someone_you_love/page01.html

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Re:がん患者さんのご家族
ちゃしば(東京都) 2008/11/22
上野先生には申し訳ないのですが(^^;)、恐らくMDアンダーソンの先生がたも含め癌医療の最前線にいる医療者自身が忘れかけている(もしくは言葉に出せない?)ことがあります。

本来の医療って何だったんでしょうか?西洋・東洋を問わず、たとえば道端でお腹を押さえ痛がっている旅人がいたとします。原因が分らなくても、とにかくお腹をさすって、知識がある人なら薬草を煎じて飲ませてとりあえず楽になってもらう。それが医療だったのではないでしょうか?医療はあくまでも普通の生活をするための手段でしかない。それが科学的根拠にもとづいたものであろうが、なかろうが、医療を求める人の希望は本来それだったはずなんですよね。

患者さんを支えることは大変なことだと私も理解しています。できるだけ正当な医療を受けるための知識も必要かもしれません。でも、普段の生活を維持するために医療があることを忘れなければ、多くの場合、患者さん、御家族、そして医療現場との意思の齟齬はきたさないと思っています。もちろん、そのために癌という病気の背景、今、どういう段階なのか、そしてどういう対処法があり、それが奏効しなかった場合、どう対処してゆけばいいか・・そこまでみんなで話し合う時間が必要だと思います。それさえ十分に出来ていれば、それこそ手立てが無い患者さんでも落ち着いて明日の朝を迎えられるのではないでしょうか?もちろん、ご家族も・・・・

実は私はnozomiさんにご紹介いただいたパンフレットを訳した人間ですが、確かにいいパンフレットだとは思います。ですが、あまりにHow toに走っているような気がして仕方がありません(^^;)。

    本当は単純明快なのですよ。多分。

『医療は普通の生活を送るための手段に過ぎない』

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Re:がん患者さんのご家族
上野 直人(海外在住) 2008/11/24
ちゃしばさん、ありがとうございます。言われている内容はもっともです。医療従事者と患者の違いは大きくそこにあります。いつも講演で言っているのですが、医療従事者はけっして、患者のすべてを知ることをできません。また、知ったと思い、患者のすべてのケアをできたと思うのは医療従事者の驕りです。

つまり、医療従事者はだれにでも均質な医療を提供をするための最低限のルールを提供するので、マニュアル化する傾向があるのかもしれません。でもさらにそれを乗り越えて患者によりよい医療を提供するためには患者の気持ちをくみたい、何かをしてあげたい気持ちをチームを組んで取り組む必要があります。

それでも限界があるので、患者が医療従事者に話しをしてくれないと、気持ちさらには希望を伝えてくれないとわからないのが現実だと思います。お任せ医療の限界はここにあるのかもしれません。

ふつうの生活、そのふつうの生活の定義は医療従事者がつくるものではなく患者です。その普通は人々によって様々です。私は患者として、日々楽しく仕事がしたい、それがふつうの生活です。笑
でも、それは他の人の価値観が違います。この価値観をマニュアル化はできないでしょう。でも、それを他の人に患者は伝えることができると医療従事者は医療がやりやすいです。でも、つたえないなら、それなりの結果がまっている医療を提供できる環境をつくるのも医療従事者の義務だと思います。


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