MDAでの研修
Japanese Medical Exchange Program 現地報告
Japanese Medical Exchange Program & Reports
JME2020 世界で最も偉大な看護師
千葉大学医学部附属病院看護師の屋久裕介と申します。
私は消化器看護・クリニカルパスを専門にしており、テキサスの地に想いを馳せながらこのブログ記事をしたためております。
(なお、この投稿についてはあくまでも個人の立場での情報発信であることを明示しておきます)
突然ですが、「世界で最も偉大な看護師は誰か?」と聞かれたら、みなさんはどなたを思い浮かべますか?
フローレンス=ナイチンゲール(1820~1910)を連想した方、どうもありがとうございます。
彼女の生誕日である5月12日は国際的に「看護の日」と呼ばれており、2020年の今年はナイチンゲール生誕200周年となります。
彼女は34才のときにクリミア戦争に従事し、野戦病院での死亡率を劇的に下げ「白衣の天使」と呼ばれました。
ーそう、これくらいまではなんとなくお聞きになったことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、彼女が経験した最初で最後の臨床現場が、この野戦病院の2年程度であったということをご存じでしょうか。
そして彼女が実は「統計の専門家」として、総務省統計局のHPに載っていることをご存じでしょうか。
リンク http://www.stat.go.jp/teacher3/episode03.html
端的にまとめますと、家庭教師付きのスーパーお嬢様が、あらゆる学問を修学した後に医療に目覚め、英国女王のお墨付きで戦地に赴き、その後は統計学を駆使して軍人や政治家とバトルを繰り広げながら、厚生労働省官僚+看護協会会長+大学教授を合わせたような仕事を90才までしていた、というのが彼女のレジェンドたる所以であります。
私は今、JMEプログラムの一環で自分自身のキャリアを見つめ直していますが、ナイチンゲールに比べると出生の時点ですでに出遅れていることがわかりました。
そして奇しくもナイチンゲール生誕200周年に、34才という年を迎えております。
今から約170年前に、34才の彼女が臨床現場で出会った最大の問題は、兵士達の「感染症」でした。
そして現在、我々は同じ問題に直面しています。
全世界が野戦病院と化しており、2020年からの2年間はすべての医療者にとって重要な時期になると感じています。
冒頭で「世界で最も偉大な看護師は誰か?」とお尋ねしました。
その答えは、「あなたのチームにいる看護師」です。
ナイチンゲールはもうこの世にはいません。
今も昔も、現場にいるのは白衣の天使ではなく、人間です。
そして目の前の戦いに立ち向かうことができるのは、そこにいる人間だけです。
War is over, and a Happy new year
と言えるよう、特筆すべき既往なし34才男性、現場のチームメンバーと共にがんばっていきます。