MDAでの研修
Japanese Medical Exchange Program 現地報告
Japanese Medical Exchange Program & Reports
JME2024現地報告Day15
JME2024現地報告Day15です。本日は国立がん研究センター中央病院腫瘍内科の星野が担当します。
本日は最終日の研修となりました。AチームはSurvivor clinicの見学を行いました。日本では馴染みのない部署ですが、アメリカでは一般的であり、こちらでは乳癌、造血幹細胞移植など13の部門に分かれてNurse practitionerが中心となりがん患者さんのフォローアップを行っていました。
見学した造血幹細胞移植部門は移植して退院後からフォローアップが開始されます。内容はGVHDの症状や所見がないか詳細な問診、診察、血液検査、呼吸機能検査などを行います。ADR後の心エコー定期検査、PSL長期投与者への骨粗鬆症の検査もここで行います。金銭面、精神面などに関するアンケートや問診も行っており、平均30-40分ほどかけて一人の患者さんを診察していました。Nurse practitionerは専門的な知識のトレーニングを受けており、診療を分担することで医師の負担は軽減され、包括的なケアを受けることで患者さんの満足度や医療の安全性も向上する取り組みと感じました。一方で今年からスタッフになられたオーストラリアの先生に伺うと、オーストラリアでは日本同様に医師が全ての外来診療を担っており過労状態とのことで興味深かったです。保険の制度や医療費の制度など様々な要因が考えられますが、安全でサステナブルな医療に向けた取り組みが日本でも必要と感じました。午後は見学者用のバッジを返却し、お世話になったニックにお別れをして病院を後にしました。
最終日の夕食は4人でライス大学の近くのライスビレッジへ行きました。ワインバルでしみじみと研修を振り返りました。異なる施設から集まり、職種も違う4人ですが、それぞれが真摯に仕事に向き合う姿に多くの刺激を受けました。ともに過ごした2週間で、気兼ねなく話し合える仲間と出会えたことは、今後の自分にとって大切な宝物です。このような貴重な機会をいただきましたこと、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。