MDAでの研修

Japanese Medical Exchange Program 現地報告

Japanese Medical Exchange Program & Reports

JME 2019 現地報告 Day8

JME 2019 現地報告、Day8 を担当しますのは国立がん研究センター 乳腺外科の綿貫 瑠璃奈です。

本日の午前はDaikiがDr.Le-Petrossの元、Breast Imaging Clinicにて乳腺の画像診断の現場を案内してもらい、KeikoがPalliative Care Roundに参加し、その他のメンバーはフリーだったので課題をこなしたり、e-learningをこなしたり、思い思いの時間を過ごしました。

午後はDr.Sahinに乳腺病理の講義をしていただき、その後術中迅速を行なっている現場を案内していただきました。
病理診断部は70名のFacultyがおり、その中で乳腺病理を担当しているのが11名とのことでした。この数を聞くだけで日本との規模の違いを分かりますね。cd76a4841bab543cc2a8fbc9c2fb75a04_19604867_190829_0018.jpg講義の内容は乳腺病理の話の中でも筋上皮の二相性や粘液癌や髄様癌、管状癌など特殊型の説明までかなり細かいところまで触れてくださり、日頃病理に馴染みの薄いメンバーにとっては少しハードであったかもしれません。。。

講義の後は手術室の隣にある術中迅速を行なっているラボを見させていただきました。本日見学させていただいたラボはあくまでdaily surgeryを行なっている手術室(6つ)とセットになっている病理の部屋であり、MDAのメインのORは46室あるようでそちらに隣接する病理のラボはvisitorを受け入れていないとのことでした。
 

Dr.Sahinが本日の乳腺の手術症例の検体を実際に触らせてくださったり、どのように術中迅速診断が成されているか丁寧に説明してくださいました

一番驚かされたのは乳腺の手術で摘出された標本を、ホルマリン固定される前に生でスライスして、それを更に標本撮影しているようです。そして放射線科医が確認して、腫瘍の範囲をマッピングし、病理医に伝えることで、通常の術中迅速の断端の評価と合わせて外科医は追加切除するかを検討するようです。この過程をおよそ15-20分でこなすとのことで信じられません。

↑これで標本撮影(ラボ内にあります)

↑このように放射線科医が術中にマッピングして、そこを切り出して標本にするようです(Dr. Sahinの許可を得て掲載させていただきました)

更に驚いたのは背景乳腺によって作成したカセットを漬けるホルマリンが異なること。下の写真のように脂肪性の乳腺、線維化の強い乳腺、通常の乳腺の3つに分けています。この後パラフィンに包埋する前にエタノールやキシレンなどで処理するわけですが、そこの過程でそれぞれによってかける時間など変えているようです。ここの過程を大事にされていることをDr.Sahinも強調されておりました。

この後もパラフィン包埋の過程やブロックから薄切する作業など一つ一つ丁寧に説明していただき、見学させていただきました。
今回の見学は医師以外の職種にとってはかなり新鮮だったのではと思います。乳腺外科の私にとってはfamiliarではあるものの、術中に標本で生でスライスして放射線科医がマッピングするなど大きな違いを知り(アメリカだからではなくMDAだからできること)、とてもexcitingな経験でした

最後にDr.Sahinと一枚。全てを丁寧に分かりやすく、説明していただき、どうもありがとうございました!

 

今日は帰りのシャトルでプチ事件。
レジデンスの前でいつもおろしてくれるのに、ドライバーがうっかりおろすのを忘れたらしく、「すみません!」と声を掛けた時には遅く、他の人達をおろしてから一番最後におろすと言われ、計らずしてNRGスタジアムまで行ってしましました。。。
それにしてもうっかりおろし忘れるなんてあって良いのでしょうか。これも文化の違いと納得させることにしましたw

そして1日の終わりにはみんなでビールを美味しくいただきました。本日もお疲れ様でした☆


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