MDAでの研修
Japanese Medical Exchange Program 現地報告
Japanese Medical Exchange Program & Reports
JME2018 現地報告 day16
本日は大阪市立大学医学部附属病院 薬剤師 豕瀬 諒 (いのせ りょう)がお送り致します。
ヒューストンの天気は雨、気温は24℃と少し涼しい気候でした。
今日は、Supportive Care, Hospice and Palliative Medicineという学会に参加しました。
ポスターもいくつかあり、メンバー内で活発に議論を行いました。
以下、個人的に興味のあった内容について、いくつか挙げてみます。
まずは、「Advanced in Pain and Palliative Care in the Developing World」という発表です。内容は、後進国における貧困、医療、緩和ケア等についてでした。
普段、日本にいるときは、あまり考えたことのない内容であり、すごく新鮮でした。
また、それと同時に、もっと世界に目を向ける必要があると感じました。
最も興味深かった発表は「Common Pharmacomistakes in Advanced Illness」という発表です。緩和ケアに関する症例を提示し、何が問題であったのか、どうすべきであったのかを論じていく形式でした。
問題となる事項は、オピオイドのタイトレーションのタイミング、等価換算、過量投与などで、いずれも、日本の臨床でも同様に問題になることばかりでした。これらについて、詳細に解説して頂いたため、理解が深まりました。
次は、「Subcutaneous Hydration」という発表です。
終末期の患者に対する皮下投与の有用性を詳細に述べて頂きました。こちらも臨床で関わることのある事例ですので、とても興味深かったです。今回は外来やホスピスの話がメインでした。
発表後、入院での皮下投与の使用状況について、演者の先生 (MDアンダーソンの薬剤師)に話を伺いました。ルートが取れない患者等では、緩和ケアに用いる薬剤をよく皮下投与すると仰っておりました。また、その際は、配合変化に十分気をつけていると仰っておりました。
1日中学会に参加して、会場の雰囲気に驚かされました。演者が聴衆の意見を聞くと、みんな積極的に回答している様子がとても印象的でした。
明日は学会2日目です。いくつか会場があるため、すべての発表を一人で聞けるわけではありません。
みんなで情報共有し、積極的に頑張りたいと思います。