MDAでの研修

Japanese Medical Exchange Program 現地報告

Japanese Medical Exchange Program & Reports

JME2018現地報告 day15

みなさまこんにちは。
宮城県立がんセンター薬剤部の土屋がご報告させていただきます。

気づけばJME2018もday15になりました。biweeklyの化学療法なら1クールが終わったことになります。
写真が少ないのは、それだけ本日の研修に集中していたということを意味しています。文字ばかりのブログですが、ご容赦ください…。

 

本日、Group AはGI(消化管) ClinicでClinical Pharmacy Specialistの方の仕事の見学を、Group Bは朝6時半出発で遠路はるばるThe WoodlandsにあるMD AndersonのクリニックでBreast SurgeonのDr. Chantal Reynaの外来を見学しに行きました。Dr. Chantal Reynaは本日がWoodlands勤務最終日で、転居されるとのこと。おつかれさまでした!

 

 

今週月曜日はBreast Clinicで臨床薬剤師の仕事を見学しましたが、今回のGI Clinicはまた少し趣が異なりました。

わがMentorのMs. Neelamの案内でMain Buildingの7階に行くと、そこは迷路のようなGI clinicでした。
GI Clinicの特徴としては、外来の中にsatteliteのPharmacyがあることで、ここでも薬剤師が仕事をすることができます。

GI clinicでは胃がん、大腸がん、肝胆膵がん、腹膜がん、肛門管がんなど、消化器に関わるがん種を取り扱っています。臨床薬剤師は5人、医師は全部合わせて20人くらい?のグループで、Dr. 一人当たり20人/日くらいの患者さんを診ているとのことです。ここで印象的だったのは、通常はNurse Practitioner (NP) がいるところが、GI clinicはPhysician Assisstant (PA) が主であるということでした。NPではなく各部署の方針の違いだそうです。

わたしは胃がんと、肝胆膵がんを主に見学させてもらったのですが、驚いたのはclinical trialの多いこと。
本邦でも行われているような、免疫チェックポイント阻害薬と殺細胞性抗がん薬の併用や、免疫チェックポイント阻害薬同士の併用など、医療現場は治療を行う場であるとともに、最先端の治療が生まれる場所でもあるということを改めて認識しました。

臨床薬剤師さんが患者さんに薬の説明をし、治療のconsentを取得するところにも同行させていただきました。
放射線照射併用でcapecitabineを内服しており、5FUにスイッチするかもしれない予定の高齢の患者さんだったのですが、ゼローダのように大きい錠剤は飲めているか、カプセルと錠剤どちらが飲みやすいか、などの質問から始まり、薬の作用機序、効果、副作用などについて説明していました。
この患者さんはoverweight+CKDがあり、実体重で腎機能を推算するとカペシタビン2段階減量推奨、理想体重で計算すると禁忌に該当するということで、非常に微妙な、そして、私自身も臨床でよく遭遇するような場面だったのですが、そこは「わたしのrecommendationはこちらで、医師にもそう提案してみる」と、薬剤師としての自分の意見をしっかりと患者さんにも伝えていました。悩みどころは万国共通だな、と思いました。

Breast Clinicで見学したときも思ったのですが、MDAに来る患者さんは皆一様にとても勉強されています。自分の病気のことは自分が把握しないと!という気概のようなものを感じます。Patient Educationのカリキュラムの時にも思いましたが、日本にもこんな概念やシステムが早く定着するとよいなと思いました。

 

英語のlistening能力に少し難があったとしても、薬の名前が出てくるとすぐにスイッチが入るため、毎日非常に楽しく研修させていただいております。
MDAのスタッフの皆々様には非常に丁寧に、優しくたくさんのことを教えていただいていますし、昨日のブログで淺野さんも書いていた通り、非常にfunnyでsmartなメンバーに囲まれ、各専門領域の知識を授けていただきながら研修ができるということは非常に恵まれているのだと思います。

ご支援いただいております皆様方に、あらためて感謝申し上げますとともに、2クール目?も全力投球で頑張ります。


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